2024年1月12日

米粉ってヘルシーなの? 小麦粉とカロリーや栄養の違いを解説します

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近年注目を集めている米粉。米粉とはその名の通りお米を粉にしたものです。小麦アレルギーの代替としても利用されています。ヘルシーなイメージのある米粉は実際に小麦粉と比較すると栄養価はどのように違うのでしょうか?管理栄養士が解説します。

 

米粉と小麦粉の栄養価の違い

米粉ってヘルシーなの?

米粉はヘルシーなイメージがありますよね。実は薄力粉と比較するとほぼカロリーは変わりません。100gあたりで比較すると米粉は356kcalに対して薄力粉は349kcalで、大きな差はありません。(*1)

ただし、脂質は米粉の方が少ないのが特長です。100gあたり米粉は0.7g、薄力粉は1.5gと薄力粉の半分程度です。

(100gあたり)

揚げ物をするなら米粉がヘルシー

米粉はドーナツや唐揚げ、天ぷらなどの揚げ物に使うのもおすすめです。理由は吸油率が低いので、余分な油を吸わないでカラッと仕上がります。鶏もも肉を揚げた時の油の吸収率は小麦粉が38%に対して米粉が21%と油を吸いにくいのでベタつきません。(*2)カロリーが気になるけど揚げ物が食べたい……そんなときは米粉で楽しんでみてはいかかでしょうか。

タンパク質の栄養価が高い

米粉はタンパク質の栄養価を表す指標であるアミノ酸スコアが高いのが特長です。アミノ酸スコアとは9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれているかを表した数値。タンパク質をたくさん含んでいてもアミノ酸が少ないものをたくさん摂っても人の体にとって良い働きをしてくれません。米粉はアミノ酸スコアが高いので、効率的にタンパク質を吸収できる食材です。(*3)

 

米粉のメリット

小麦アレルギーの代替になる

3大アレルギーのひとつである小麦の代替としても使われる米粉。食物アレルギーとは食事をしたときに食物に含まれるタンパク質を身体が異物として認識して身体を防御するために過敏な反応を起こすことです。米も食物アレルギーを誘発することはありますが、発症する件数が少ないので小麦アレルギーの代替食品としても活用されます。

ダマになりにくいので粉を振るわなくても使える

お菓子作りに使うことが多い薄力粉はダマになりやすいので、粉を振るってから使う必要があります。一方で、米粉はダマになりにくいので粉を振るわずに入れても固まらず、溶けやすい特長があります。お菓子作りの一手間を省いてもふわっと仕上がるのも米粉の魅力です。

 

<参考文献>

※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

※2: Uptake Properties of Fried Batters from Rice Flour, F.Shin and K.Daigle (J.Agric. Food Chem.47(1999))

※3:科学技術庁資源調査所「食品のたんぱく質とアミノ酸」(昭和61年)

 

コラム執筆:中村りえ先生

中村りえ先生

中村りえ先生

管理栄養士。大手食品メーカーにて商品開発、健康セミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、セミナー講師、メディア出演など幅広く活躍中。 家族の小麦アレルギーをきっかけに米粉に出会い、米粉のおいしさに魅了される。また、日本人の「米離れ」の深刻さについて学んだことから、米粉料理の良さを伝え、日本の米文化を守りたいと考え、米粉料理家として活動を行う。著書『米粉のおやつとおかず』(宝島社)キッズ食育Jr.トレーナーの資格を保有。

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