甘酸っぱいレーズン。そのままでも、お菓子やサラダに混ぜてもおいしいドライフルーツです。小粒ながらもからだに嬉しい栄養を含むレーズンを管理栄養士が解説します。
小粒でも栄養たっぷり。レーズンのパワー
不足しがちな鉄の補給に
レーズン100gには鉄が2.3g含まれています。(*1)鉄は赤血球の主成分であるヘモグロビンの材料になる成分です。(*2)ヘモグロビンは酸素を全身の細胞に送る働きがあるので、鉄が不足すると酸素が全身に行き届かなくなって顔が青白くなったり、立ちくらみなどをおこしたりします。特に女性は月経や妊娠、出産など男性よりも鉄が多く必要です。
レーズンに含まれる鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まるため、ビタミンCが豊富なキウイフルーツやレモンなどの柑橘類と一緒に摂るのがおすすめです。ヨーグルトにレーズンとキウイフルーツを入れると毎日の食事に取り入れやすくなりますよ。
疲れやすい体に。ビタミンB1
スタミナメニューといえば豚肉などの肉料理を思い浮かべますよね。それは豚肉にビタミンB1が含まれているためです。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換するための栄養素です。不足するとだるさや疲労感を感じやすくなります。(*3)
甘いもの、ごはんやパンなどの炭水化物が好きな方はビタミンB1がより多く必要です。摂った糖質をエネルギーに変換するために使ってしまうので、疲労回復に必要なビタミンB1が足りなくて疲労を感じやすくなることも。レーズンを使ったお菓子は理にかなっているといえます。
むくみ対策にも。カリウム
むくみは様々な原因が考えられますが、過剰な塩分摂取はむくみの原因になります。体内の塩分濃度は一律に保たれているため、過剰に塩分を摂った場合はそれを薄めようとして水分を抱え込むようになっています。そのため、塩分の過剰摂取はむくみを引き起こすのです。体内の過剰な塩分を排出する働きがあるカリウムを摂ることはむくみ対策におすすめです。(*4)
ただし、腎機能の低下がある場合はカリウムの制限をする必要があるため、医師に相談して取り入れてくださいね。
<参考文献>
※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※2:厚生労働省, e-ヘルスネット,鉄
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html
※3:厚生労働省, 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」,各論,ビタミン(水溶性ビタミン
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf
※4:厚生労働省, e-ヘルスネット,カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html