翡翠色の鮮やかな実が特長のピスタチオ。おつまみやお菓子のトッピング、アイスやケーキなど幅広く使われているナッツです。ピスタチオにはどんな栄養があるのでしょうか?管理栄養士が解説します。
ピスタチオに含まれる体に嬉しい働き
免疫機能の強化に! β-カロテン
β-カロテンといえばにんじん、かぼちゃなど色の濃い野菜に含まれているイメージがありますよね。実はピスタチオにもβ-カロテンが含まれています。(*1)β-カロテンは体の中でビタミンAに変換されます。ビタミンAは粘膜や皮膚の健康に役立つ栄養素です。(*2)粘膜には細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐ役割があるので、免疫システムとして大事な器官です。ウイルスに負けない体作りのためにβ-カロテンをしっかり摂りたいですね。
なお、ビタミンAをサプリメントで補おうとすると過剰摂取のリスクがありますが、β-カロテンは必要に応じて体内でビタミンAに変化するので過摂取にならないので安心して召し上がってくださいね。
過剰な塩分を調整するカリウム
ピスタチオにはカリウムが豊富に含まれています。ピスタチオ(いり/味付け)100gあたりにカリウムが970mg。バナナ1本(100g)に含まれるカリウムは360gなので、ピスタチオはバナナの2.5倍のカリウムが含まれ、多いことがわかります。(*1)
カリウムは過剰な塩分を排出する働きがあります。体内に過剰に塩分が多いと水分を抱え込んで浮腫みやすくなります。ナトリウムを排出するカリウムは浮腫み対策にも役立ちます。(*3)
血液と骨に不可欠な栄養素ビタミンK
ビタミンKは止血ビタミンとも呼ばれ、血液を固める働きがあります。ビタミンKが不足すると出血が止まりにくくなってしまいます。また、骨の材料となるカルシウムの吸収を助ける働きがあります。
脂溶性ビタミンで油と摂ると吸収がよくなるので、脂質も含まれるピスタチオは効率的にビタミンKを補える食材です。(*4)
ピスタチオってダイエットにいいの?
食物繊維でお腹の健康をサポート
食物繊維といえばごぼうやさつまいもなどの繊維質が多い根菜に多く含まれているイメージがあると思います。ナッツにも豊富に含まれていて、ピスタチオ(いり/味付け)100gに9.2gの食物繊維が含まれています。(*1)食物繊維が多いピスタチオはお腹に溜まりやすく、満足感もあるので、ダイエット中の間食にもおすすめ。(*5)ただし、たくさん食べるとお腹が張ったり、脂質の摂りすぎになるので適量を守ってくださいね。味がついているものは塩分が含まれているので無塩のものを選ぶとなおよいでしょう。
<参考文献>
※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|各論 脂溶性ビタミン
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042635.pdf
※3:厚生労働省, e-ヘルスネット, カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
※4:厚生労働省, e-ヘルスネット, ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
※5:厚生労働省, e-ヘルスネット, 食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html