2025年1月15日

血圧が気になる方に! ドライフルーツとナッツの効果的な取り入れ方

年齢が上がるにつれて血圧が気になる方も多いのではないでしょうか。高血圧は自覚症状がないですが、脳梗塞や心疾患など病気のリスクを増加させます。血圧が気になる方におすすめのミネラルを含むドライフルーツとナッツをご紹介します。

 

血圧が上がる原因は?

塩分と血圧の関係

高血圧は病気が原因で発生する場合もありますが、食塩の過剰摂取、飲酒、肥満運動不足によって起きるものが多いです。特に日本人が高血圧になる要因の一つは食塩の摂りすぎです。そのため、予防には食塩摂取量を抑えることが欠かせません。(*1)

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では成人男性が7.5g未満、成人女性は6.5g未満が望ましいとされています。(*2)一方で「栄養調査(令和元年)」では、食塩摂取量は成人男性で10.9g、成人女性は9.3gと目標量よりも多いのがわかります。(*3)

肥満も高血圧の原因に?!

肥満とは体脂肪が過剰に蓄積された状態で、高血圧の原因にもなります。(*4)それ以外にも糖尿病や脂質異常症、心疾患などの生活習慣病を引き起こす原因にもなるのです。食べる量(摂取するエネルギー量)と活動量(消費するエネルギー量)のバランスを考慮して食べすぎないように気をつけたいですね。ポテトチップスや揚げ物などの代わりにナッツやドライフルーツに置き換えると食物繊維が補うことができ、また満腹感が得られるので体重コントロールにもおすすめです。

 

血圧が気になる方におすすめの栄養素

血圧を下げる効果があるカリウム

血圧を下げるために減塩と合わせて意識的に取り入れたいのがカリウム。カリウムはミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをしています。ナトリウムを排出する作用があるため、塩分の摂り過ぎを調整するために役立つ栄養素です。(*5)実際にカリウムを多く摂取したことによって血圧が下がったという研究結果もあります。(*6)ただし、腎機能が落ちている方はカリウムの排出がうまくできなくなるので、カリウム摂取を控える必要があります。

 

ドライフルーツはカリウムが豊富! どのドライフルーツが食べるのがよい?

カリウムを含む食材のひとつとして果物が挙げられます。その果物を乾燥させたドライフルーツはフレッシュの果物と比較すると乾燥されている分、100g あたりのカリウム含有量が増えるので効率的に摂取することができます。カリウムを含むドライフルーツを確認してみましょう。

▼ドライフルーツ100gに含まれるカリウムの含有量(*7)

・ドライマンゴー 1100mg

・ドライいちじく 840mg

・プルーン 730mg

1日の目標量は18歳以上男性で3000mg、18歳以上2600mgです。

ドライいちじくであれば、1個3.5g程度で29mg、プルーンであれば1個10g程度で73mgです。

ナッツにもカリウムが含まれています。ナッツに含まれるビタミンEは血管の健康維持にも関係しているので、ナッツもおすすめです。

 

▼ナッツ100gに含まれるカリウムの含有量(*7)

・ピスタチオ 970mg

・アーモンド(いり/無塩)740mg

・カシューナッツ(フライ/味付け)590mg

カルシウムで血圧が下がる?!

カルシウムは血圧を安定させる作用があります。研究では、カルシウム摂取量の増加にともなって血圧が低下しているという結果があるため、カルシウムも不足のないように取り入れた栄養素です。(*1)アーモンドにはカルシウムが多く含まれています。ドライフルーツではドライいちじく、レーズンに含まれています。(*3)

 

ビタミンEで血管を守る

血圧が高い方は動脈硬化などのリスクが高まります。(*1)そこで、取り入れたいのがビタミンEです。ビタミンEは抗酸化作用があり、細胞や血管の健康維持や老化の予防に役立ちます。(*8)ビタミンEはドライマンゴー、アーモンドやピスタチオなどに含まれています。

血圧が気になる方は、食塩不使用のものを選ぶようにしてください。

 

おすすめの食べ合わせ

カリウムを含むドライフルーツとカルシウムを含む牛乳の組み合わせはいかがでしょうか。大豆加工品にもカリウムが含まれているので、ビタミンEを含むナッツと組み合わせていただくのもおすすめです。おすすめレシピ アーモンドブランマンジェ マンゴーソース

・カリウムを含む豆腐とピスタチオの組み合わせ

おすすめレシピ サーモンとアボカドピスタチオのテリーヌ

 

<参考文献>

*1:厚生労働省, e-ヘルスネット,高血圧

*2:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

*3:国民健康・栄養調査,厚生労働省(令和元年)

*4:厚生労働省, e-ヘルスネット, 肥満と健康

*5:厚生労働省, e-ヘルスネット,カリウム

*6:本態性高血圧症患者におけるカリウムの降圧効果

*7:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

*8:厚生労働省, e-ヘルスネット,抗酸化ビタミン

コラム執筆:中村りえ先生

中村りえ先生

中村りえ先生

管理栄養士。大手食品メーカーにて商品開発、健康セミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、セミナー講師、メディア出演など幅広く活躍中。 家族の小麦アレルギーをきっかけに米粉に出会い、米粉のおいしさに魅了される。また、日本人の「米離れ」の深刻さについて学んだことから、米粉料理の良さを伝え、日本の米文化を守りたいと考え、米粉料理家として活動を行う。著書『米粉のおやつとおかず』(宝島社)キッズ食育Jr.トレーナーの資格を保有。

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