2024年9月17日

免疫力を整えよう! ナッツとドライフルーツの上手な活用法

風邪やウイルスに負けないカラダづくりには免疫機能を整えることが大切。睡眠をしっかりとることはもちろん大事ですが、食べ物から取り入れる栄養も大切です。今回は毎日元気に過ごしたい方におすすめのナッツとドライフルーツの栄養について解説します。

 

免疫機能をサポートする栄養素

免疫細胞の7割は腸に?! 腸内環境を整える食物繊維

ウイルスや病原菌に負けない体を作るために欠かせないのが免疫機能です。体内にウイルスや細菌などの異物から守ってくれる免疫は腸内環境と深い関係があります。

免疫細胞の60〜70%が腸内に存在するといわれています。(*1)つまり、腸内環境を整えることは免疫機能を良い状態に保つためにも役立ちます。腸を健全に保つために睡眠・運動など様々な要因が関係していますが、食生活も大事な要素です。

食物繊維は便秘を予防する整腸作用や腸内の善玉菌のエサとなって整える働きがあります。(*2)

 

抗酸化ビタミン「ビタミンACE(エース)」

抗酸化作用があり、免疫機能に役立つといわれるビタミンACEはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの3つの総称です。(*3)

ビタミンAは免疫機能のなかでも、喉や呼吸器などの粘膜免疫の維持に役立つ栄養素です。ビタミンAはドライマンゴーやプルーンに多く含まれています。脂溶性ビタミンで脂質を含むナッツと一緒に食べることで、吸収が良くなります。

美肌によいイメージのあるビタミンCは抗酸化作用が強いので免疫機能にも関わっています。体内に貯蔵できないので、こまめに摂る必要があります。ビタミンCはドライマンゴーに多く含まれています。

ビタミンEは細胞膜に存在し、細胞や組織を酸化させる活性酸素の発生を抑える作用があります。若返りビタミンとも呼ばれています。ドライマンゴーやアーモンドに多く含まれています。

 

タンパク質の合成に関わる亜鉛

亜鉛は細胞の代謝に関係し、免疫機能のサポートに役立ちます。飲酒によって亜鉛が排出されてしまうので、お酒を飲む時は亜鉛を補うとよいでしょう。また、汗からも排出されるため、スポーツをする方も不足のないように気をつけてください。

 間食で栄養補給

 免疫アップに役立つ?! ドライフルーツとナッツ

免疫機能の維持にはバランスよく栄養を摂って、睡眠を十分に摂ることが大切です。ドライフルーツやナッツは不足しがちな食物繊維やビタミンが含まれているので、間食におすすめです。

 

▼食物繊維を多く含むドライフルーツ・ナッツトップ3

(100gあたりに含まれる食物繊維の含有量(*4))
<ドライフルーツ>

・ドライブルーベリー 17.6g

・ドライいちじく 10.7g

・プルーン 7.1g

<ナッツ>

・アーモンド 10.1g

・ピスタチオ 9.1g

・くるみ 7.5g

 

食物繊維の摂取の目標量は1日あたり女性で18g、男性で21g以上と厚生労働省は発表しています。(*5)6枚切りの食パン1枚(60g)あたりの2.5g、ご飯お茶碗1杯(精白米/150g)あたり2.3gの食物繊維が含まれています。これらと比較するとドライフルーツやナッツは含有量が多いことがわかりますね。

ビタミンACEが全て含まれているのはドライマンゴーです。美味しいだけでなく健康維持にも健康維持にも役立つ食材です。

亜鉛はアーモンドやカシューナッツに多く含まれています。アルコールを飲むことによって亜鉛が排出されるため、お酒を飲むときはおつまみにミックスナッツを選んではいかがでしょうか。

 

おすすめの食べ合わせ

そのまま食べてもおいしいナッツとドライフルーツですが、発酵食品と組み合わせることで効果がアップ!また、ナッツはビタミンCを含む柑橘系と組み合わせて食べるのがおすすめです。

クルミとイチジクのクリームチーズ和え

ミックスナッツとアボカドのポテサラ

 

<参考文献>

*1:種本俊, 筋野智久, 金井隆典, 腸内細菌叢と免疫の関わり, 日本臨床免疫学会会誌, 2017 年 40 巻 6 号 p. 408-415

*2:厚生労働省, e-ヘルスネット,食物繊維

*3:抗酸化ビタミン(こうさんかびたみん)

*4:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

*5:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

 

コラム執筆:中村りえ先生

中村りえ先生

中村りえ先生

管理栄養士。大手食品メーカーにて商品開発、健康セミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、セミナー講師、メディア出演など幅広く活躍中。 家族の小麦アレルギーをきっかけに米粉に出会い、米粉のおいしさに魅了される。また、日本人の「米離れ」の深刻さについて学んだことから、米粉料理の良さを伝え、日本の米文化を守りたいと考え、米粉料理家として活動を行う。著書『米粉のおやつとおかず』(宝島社)キッズ食育Jr.トレーナーの資格を保有。

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