2024年7月8日

牛乳は豆乳で代用できる?成分と仕上がりの違い

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牛乳と豆乳の栄養素の違い

牛乳と豆乳は同じもの?

牛乳は動物性食品、豆乳は大豆から作られているので植物性食品です。牛乳と豆乳は色が似ていて、クセのない味のため、代替としても使用されています。では、栄養価はどうなのでしょうか?牛乳と豆乳の栄養価の違いを見てみましょう。

どちらもタンパク質は同程度ですが、豆乳は牛乳よりもエネルギー(カロリー)と脂質が低いことがわかります。

 

一方で、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素に違いはあるのでしょうか。

比較するとカルシウム、鉄に含有量に差があることがわかります。カルシウムは牛乳が豆乳の7倍です。鉄は牛乳に含まれていませんが、豆乳には含まれています。牛乳コップ1杯(200g)で1/3日分のカルシウム、豆乳コップ1杯(200g)で1/3日分の鉄を摂ることができます。

カルシウムも鉄も日本人にとって不足しがちな栄養素です。

牛乳のレシピは豆乳で代用できる?

牛乳と豆乳で作ったときの違い

牛乳のレシピは基本的に豆乳で代用はできますが、風味や味が多少変わります。牛乳には乳糖、豆乳にはオリゴ糖が含まれていて、甘さの感じ方も異なります。

牛乳のレシピを無調整豆乳で代用するとややあっさりした味わいに感じます。調製豆乳は甘味料や油分を入れて甘味があるため、牛乳の代わりに使うのであれば無調整豆乳が使いやすいです。

 

プリンの比較

牛乳と豆乳でプリンを作り比べてみました。見た目に大きな差はありませんが、豆乳で作った方がさっぱりとしています。カロリーを抑えたい方は豆乳、甘みを楽しみたい方は牛乳など、お好みで使い分けてください。

(左:豆乳 右:牛乳)

加熱時間も温度も同じですが、牛乳の方がやわらかく仕上がりました。

豆乳で作った方がやや固いので、なめらかさを楽しみたい方は牛乳がおすすめです。

豆乳の豆臭さは感じられないので、豆乳が苦手な方でもプリンは食べやすいと思います。

プリンの場合は、牛乳のレシピを豆乳で代用する際はさっぱりとした味になるので、お好みで砂糖の量をやや増やしてもよいでしょう。

 

マフィンの比較

牛乳と豆乳ではほぼ変わりはありませんが、やや牛乳の方が表面にツヤがあります。

(左:豆乳 右:牛乳)

味や食感はプリンよりも使用量が少ないので、大きな差は感じられません。やや豆乳の方があっさりとした味わいです。

 

 

生クリームは牛乳で代用していい?牛乳でホイップクリームは作れる?

生クリームと牛乳は同じ乳製品ですが、乳脂肪の割合が異なるため生クリームの方が濃厚な味わいです。パスタやシチューなどの場合、生クリームを牛乳で代用するとあっさりとした味になります。

ホイップクリームは、生クリームを泡立てた時に脂肪球が壊れ、脂肪同士がくっついて空気を抱き込むため、ふわふわの状態になります。一方で牛乳は生クリームよりも脂質が少ないので、牛乳を生クリームのように泡立ててもホイップクリームにはなりません。

ただし、牛乳にゼラチンを加えることでホイップクリームを作ることができます。

牛乳とゼラチンで作るクリームはやや緩いクリームのため、絞り出すよりもケーキにかけたり、フルーツサンドに使用したりするのがおすすめです。

<参考文献>

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

コラム執筆:中村りえ先生

中村りえ先生

中村りえ先生

管理栄養士。大手食品メーカーにて商品開発、健康セミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、セミナー講師、メディア出演など幅広く活躍中。 家族の小麦アレルギーをきっかけに米粉に出会い、米粉のおいしさに魅了される。また、日本人の「米離れ」の深刻さについて学んだことから、米粉料理の良さを伝え、日本の米文化を守りたいと考え、米粉料理家として活動を行う。著書『米粉のおやつとおかず』(宝島社)キッズ食育Jr.トレーナーの資格を保有。

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