2023年9月28日

ほんのり甘いカシューナッツに隠れた栄養

やわらかい食感と甘みのあるカシューナッツ。そのまま食べたり、中華料理では炒め物にも使われたりしています。アクティブに過ごしたい方におすすめの栄養素を含むカシューナッツ。栄養について管理栄養士が解説します。

カシューナッツの効果効能

筋肉疲労に役立つマグネシウム

エネルギーの生成や筋肉を動かしたり、体温の調整や神経伝達に携わったりするなどマグネシウムは様々な役割があります。(*1)
マグネシウムとカルシウムと密接に関係しており、そのベストバランスは2対1です。カルシウムを多く摂るとマグネシウムが排出されてしまうのでカルシウムを摂るときはマグネシウムもセットで摂るのがおすすめ。現代人はカルシウムもマグネシウムも不足しがちです。(*2)カシューナッツをトッピングしたチーズを使ったサラダやミルクスープなどを摂ることで、カルシウムとマグネシウムをバランスよく摂取することができます。

おいしいを感じるための亜鉛

亜鉛は細胞の新陳代謝に関与し、免疫機能をサポートする栄養素です。さらに、亜鉛は舌の表面にある味覚を感じるセンサーのある味蕾細胞を作る働きもあります。味蕾は新陳代謝が早いので亜鉛が不足すると味覚を感じにくくなってしまいます。アルコールは亜鉛の排出を促すので、酒を飲むときはおつまみにカシューナッツをいただいて亜鉛が不足ないように補うのもよいですね

赤血球を作る原料となる鉄。鉄というと貧血予防とイメージされる方も多いように、血液の成分です。体内の鉄の半分以上はヘモグロビンと結合して肺から取り込んだ酸素を全身に送る役割があります。そのため、鉄が不足すると全身に酸素が行き渡ることができなくなり、息切れしやすくなったり、立ちくらみしたりと不調を感じやすくなります。(*3)
特に女性は毎月の月経によって男性よりも鉄が不足しやすい傾向があります。
植物性食品に含まれる鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まるので、カシューナッツと一緒にレモン水をいただくなどレモンや果物を摂るのもよいでしょう。

睡眠の鍵を握るビタミンB6

睡眠と食事は一見関係がないように見えますが、栄養状態は睡眠にも大きく影響します。
睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンはセロトニンが変換されてできたホルモンです。(*4)そのセロトニンと原料となるのは必須アミノ酸であるトリプトファンとビタミンB6です。良質な眠りのためには必須アミノ酸のトリプトファンを含む牛乳、バナナ、ヨーグルトなどと一緒に摂るのがおすすめです。

カシューナッツはダイエットに向いている?!

睡眠の鍵を握るビタミンB6

ナッツは比較的脂質が多い食材ですが、ナッツの中でも脂質が少ないのがカシューナッツです。(*5)脂質が少ないので他のナッツに比べるとエネルギーも控えめでダイエット中で取り入れやすいです。

 

<参考文献>

※1:厚生労働省, e-ヘルスネット, マグネシウム

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-034.html

※2:厚生労働省, 国民健康・栄養調査(令和元年)

※3:厚生労働省, e-ヘルスネット,鉄

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html

※4:厚生労働省, e-ヘルスネット,メラトニン

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-062.html

※5:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

 

コラム執筆:中村りえ先生

中村りえ先生

中村りえ先生

管理栄養士。大手食品メーカーにて商品開発、健康セミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、セミナー講師、メディア出演など幅広く活躍中。 家族の小麦アレルギーをきっかけに米粉に出会い、米粉のおいしさに魅了される。また、日本人の「米離れ」の深刻さについて学んだことから、米粉料理の良さを伝え、日本の米文化を守りたいと考え、米粉料理家として活動を行う。著書『米粉のおやつとおかず』(宝島社)キッズ食育Jr.トレーナーの資格を保有。

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