甘酸っぱい味が特長のクランベリー。酸味が強いので生で食べることはできませんが、乾燥させると甘味が増しておいしいドライフルーツに。パンや焼き菓子に使われることが多いクランベリーの魅力を管理栄養士が解説します。
クランベリーに含まれるカラダに嬉しい栄養
整腸作用が期待できる食物繊維
食物繊維といえば、ごほうやさつまいもなどの繊維質なものに多く含まれているイメージがありますよね。意外に思われるかもしれせんが、クランベリー100gに4.8gの食物繊維が含まれています。(*1)さつまいも小サイズ(150g)に含まれる食物繊維は4.2gなので、クランベリー100gとほぼ同程度といえます。(*2)
食物繊維は便通を整えて便秘を防ぐなどの働きがあり、第6の栄養素ともいわれています。体内にナトリウム、脂質、糖などを吸着して排出する働きもあるため、高血圧や糖尿病などの生活習慣病予防の効果が期待できます。(*3,4)
日本人は食物繊維が不足しがちなので特に意識して摂りたい成分です。クランベリーのドライフルーツは甘酸っぱい味でそのまま食べてもおいしいのでおやつにすると食物繊維などの栄養が摂れておすすめです。
強い抗酸化作用があるポリフェノール
クランベリーの特質すべき成分は「プロアントシアニジン」。ポリフェノールの一種で特に強い抗酸力があると注目を集めています。(*5)
抗酸化物質とは活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑えるものです。活性酸素が体内に過剰に発生すると血管や細胞を攻撃して老化・動脈硬化などを引き起こします。そこで活性酸素の働きを抑えたり、除去したりする抗酸化物質は健康を守るために大事な働きをします。(*6)
女性が気になるシミ・しわなども老化現象のひとつとされていますので、抗酸化作用のあるポリフェノールは肌の健康にとっても大事な成分です。
気になるカロリーと糖質
栄養がたっぷり詰まったクランベリー。でも、甘さがギュッと濃縮されたドライフルーツはカロリーが高いのかなと心配になりますよね。
クランベリー100gあたりのカロリー(エネルギー)は328kcalです。間食の目安は200kcal以内のため、食べ過ぎなければ問題ありません。(*7)
たとえば、カフェオレ1杯(150ml)とクランベリー30g(小鉢に入る程度)でおおよそ180kcal。1日の間食の目安の範囲内なので安心して食べられますよ。
<参考文献>
※1:共立食品株式会社,クランベリーチャック付き
https://www.products.kyoritsu-foods.co.jp/detail/?page=1&id=2043
※2:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※3:厚生労働省, e-ヘルスネット, 食物繊維
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
※4:厚生労働省, e-ヘルスネット, 食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
※5:細山浩、有賀敏明:健康食品素材としてのブドウ種子抽出物,FOOD Style21,66-70(1998)
※6:厚生労働省, e-ヘルスネット, 抗酸化物質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
※7:厚生労働省, e-ヘルスネット, 間食のエネルギー(カロリー)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-013.html