2024年10月11日

甘味料の違い、知ってる?上白糖、グラニュー糖、きび砂糖、粉糖の使い分けと置き換え

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「砂糖」は、上白糖、グラニュー糖、粉糖、きび砂糖など様々な砂糖があります。甘みをつける役割は同じですが、それぞれ風味やコクが異なることを知っていますか?今回はお菓子作りに欠かせない甘味料について解説します。

 味の特徴は?どんなお菓子に合う?

コクがある甘さの上白糖

上白糖は純度の高いショ糖にブドウ糖などの転化糖をまぶしているので、グラニュー糖より甘みが強いです。強い甘みとコクが特長の上白糖は、日本の家庭で1番使用されている砂糖です。コクのある甘さでお菓子だけでなく、煮物などのコクがある料理にもよく合います。他の砂糖よりも吸湿性があるので、しっとりさせたいカステラやどらやきなどに向いています。ただし、固まりやすいので、密閉容器に入れて保管するようにしてください。

すっきりとした甘みのグラニュー糖

純度が高く、癖のない甘みが特長のグラニュー糖は、サラサラとして固まりにくくて扱いやすいことから加工にもよく使われています。味にクセがないので、素材の味や風味を邪魔しないので、風味を活かしたいお菓子や香りを楽しみたいコーヒーや紅茶などの飲み物の甘味料としてよく使われます。

上白糖に比べると軽く仕上がるため、ふわっとさせたいスポンジケーキやタルトなどに使われます。

グラニュー糖にはより結晶を細かくした微粒子のタイプもあります。卵白や生クリームなどに使用すると溶けやすいため、泡立ちがよくなります。

日本の家庭では上白糖が定番ですが、海外ではグラニュー糖が使われることが多いです。

きび砂糖

さとうきびの液を煮詰めて作るきび砂糖は、精製された上白糖やグラニュー糖と比較するとカルシウムなどのミネラルを含み、風味豊かな砂糖です。上白糖よりもコクがあるため、焼き菓子や煮物などの料理にも向いています。やや茶色くなるので、白く仕上げたい場合は他の白い砂糖がおすすめです。

細かい粉糖

グラニュー糖をさらに細かくしたものが粉糖です。クッキーに使うとホロっとした食感になります。デコレーションとしてガトーショコラにまぶしたり、アイシングに使用されたりするのが粉糖。粉糖には、泣かない粉糖と通常の粉糖の2種類があります。泣かない粉糖はデコレーションとしてタルトやガトーショコラなどのケーキにかけも溶けない特性があり、ノンウェットとも呼ばれます。

通常の粉糖は細かくしたグラニュー糖にコンスターチなどを配合して固まりにくくしています。トッピングとしてケーキの上にまぶすと溶けやすいので、デコレーションには向いていません。

一方で泣かない粉糖は粉糖の粒子に油脂をコーティングしているため、水を加えても弾きます。アイシングには使用できないので、デコレーション用として使ってください。

 

 大さじ1の重量が違う?! ぞれぞれの重量とカロリーは?

大さじ1の重量

大さじ1は15mlです。重量にすると、水は大さじ1で15gですが、砂糖は大さじ1で15gではありません。砂糖の種類によって粒子の大きさが異なるため、重量が異なります。

 

▼砂糖大さじ1の重量の比較

上白糖 9g

グラニュー糖 12g

粉糖 9g

 

上白糖とグラニュー糖で3gの差があります。

 

カロリーの違い

▼それぞれの甘味料100gあたりのエネルギーを比較しましょう。(*1)

上白糖 391kcal

グラニュー糖 394kcal

粉糖 393kcal

 

ほぼ差はありません。甘さを強く感じる上白糖ですが、実はグラニュー糖や粉糖とさほどカロリーは変わりません。

 

置き換えのポイント

ガトーショコラやシュークリームなどにまぶす粉糖は他の砂糖でも代用できます。そのままかけるとムラになりやすいので、ミキサーなどで細かく粉状にすると粉糖のように使うことができます。ただし、湿気や熱に弱いので、直前にかけてくださいね。

メレンゲを作るときは溶けやすいグラニュー糖が作りやすいですが、きび砂糖や上白糖でも作ることはできます。上白糖で作ったメレンゲは焼いた時に焼き色が強くでる傾向があります。きび砂糖で作ったメレンゲはコクのある味わいに。このように甘味料によって味わいや風味が異なるので作りたいお菓子によって使い分けてみてはいかがでしょうか。

<参考文献>

*1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

コラム執筆:中村りえ先生

中村りえ先生

中村りえ先生

管理栄養士。大手食品メーカーにて商品開発、健康セミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、セミナー講師、メディア出演など幅広く活躍中。 家族の小麦アレルギーをきっかけに米粉に出会い、米粉のおいしさに魅了される。また、日本人の「米離れ」の深刻さについて学んだことから、米粉料理の良さを伝え、日本の米文化を守りたいと考え、米粉料理家として活動を行う。著書『米粉のおやつとおかず』(宝島社)キッズ食育Jr.トレーナーの資格を保有。

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