2024年8月22日

ナッツはニキビの原因にならない?! 肌の健康が気になる方へ。効果的なナッツの取り入れ方と適正量

健康的なイメージのあるナッツですが、「ナッツを食べるとニキビができる」と思って避けていませんか? ナッツは脂質が多くてニキビの原因になると思われていることもありますが、実は誤解です。ナッツには健康的な肌作りに役立つ栄養素が含まれています。管理栄養士がナッツと肌の関係について解説します。

美肌によい栄養素とナッツの関係

肌の元となるタンパク質

タンパク質は肌や筋肉、内臓、皮膚、髪の毛、爪、血液、骨などの構成成分になります。(*1)それ以外にも酵素やホルモンなど、体の機能を調整する成分としても大事な栄養素です。肌の細胞を作るタンパク質が不足すると新陳代謝がうまくできず、肌荒れの原因に。ナッツはタンパク質が豊富に含まれています。タンパクの量が多いナッツをご紹介します。

 

▼ナッツ100gあたりに含まれるタンパク質含有量トップ3(*2,3,4)

素焼きピスタチオ 21.7g

素焼きアーモンド 21.7g

素焼きカシューナッツ 15.3g

アーモンド15粒(約15g)で約3gのタンパク質が摂れます。

オメガ3脂肪酸とビタミンB群を含むクルミ

クルミに含まれるα-リノレン酸はオメガ3脂肪酸の一種です。オメガ3脂肪酸は体内で合成できないため、食事から取り入れる必要があります。(*5)不足すると皮膚炎を引き起こす原因にも。(*6)オメガ3脂肪酸は血管を拡張させる作用があるため、血液の流れをよくする働きが期待できます。

また、ビタミンB群は肌の健康に欠かせないビタミンです。(*7)ビタミンB1は糖質の代謝に関わる栄養素で、不足すると疲れやすさを感じやすくなります。ビタミンB2はタンパク質、脂質、炭水化物の代謝に関わっており、肌の生まれ変わりのサイクルであるターンオーバーに関係しています。ビタミンB6は、たんぱく質の代謝を助けたり、皮膚炎を予防したりする働きがあります。

若々しく過ごしたい! ビタミンEが豊富なアーモンド

アーモンドに含まれるビタミンEは活性酸素の発生を抑える抗酸化作用があります。紫外線やストレスなどによって発生した活性酸素の働きを抑えるのがビタミンEです。(*8)ニキビや肌荒れが気になる方もぜひ取り入れたい栄養素。さらにビタミンEは血液の流れを良くする働きがあるため、血行をよくしてイキイキした肌作りにも役立ちます。

1日あたり必要なビタミンEの量は男性(18〜49歳)6.0mg、女性(30〜49歳)で5.5mgです。素焼きアーモンド10粒(10g)で1日に必要なビタミンEの60%を補うことができます。

タンパク質の吸収に必要な亜鉛。アーモンドとカシューナッツで補給

亜鉛はたんぱく質を合成するために必要な栄養素であり、細胞の分裂にも関係しています。新しい細胞が生まれて、古い細胞が排出されるサイクルを新陳代謝といい、皮膚の新陳代謝が落ちるとシミの原因に。細胞を作り出すために欠かせない亜鉛は肌の新陳代謝に関わっているので亜鉛もタンパク質とともに取り入れてください。亜鉛はアーモンドとカシューナッツに豊富に含まれています。

健康的な肌を守る食べ合わせ

肌の元となるタンパク質と亜鉛を組み合わせたり、抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンCと組み合わせて抗酸化作用をアップさせたりするのがおすすめ。

<参考文献>

*1:厚生労働省, e-ヘルスネット, たんぱく質

*2:素焼きピスタチオチャック付

*3:素焼きアーモンドチャック付

*4:素焼きカシューナッツチャック付

*5:不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)

*6:厚生労働省,「日本人の食事摂取基準(2020年版)」,総論,脂質

*7:厚生労働省,「日本人の食事摂取基準(2020年版)」,各論,ビタミン(水溶性ビタミン)

*8:厚生労働省, e-ヘルスネット, 抗酸化ビタミン

 

コラム執筆:中村りえ先生

中村りえ先生

中村りえ先生

管理栄養士。大手食品メーカーにて商品開発、健康セミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、セミナー講師、メディア出演など幅広く活躍中。 家族の小麦アレルギーをきっかけに米粉に出会い、米粉のおいしさに魅了される。また、日本人の「米離れ」の深刻さについて学んだことから、米粉料理の良さを伝え、日本の米文化を守りたいと考え、米粉料理家として活動を行う。著書『米粉のおやつとおかず』(宝島社)キッズ食育Jr.トレーナーの資格を保有。

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